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鹿児島県黒酢の歴史は江戸時代の技術から
世界で最も古くからあるお酒って何か知っていますか?
A. ワインです♪
ワインビネガーとえば、お酢が使われていることがそのまま呼び名となっていますが、
主にフランスやイタリアでよく使われています。ワインビネガーの原料の決まりはなく、
ワインとして合うビネガー(お酢)であれば、特にこだわりもないようです。
このように、お酢とお酒には深いつながりがあります。
■日本では、いつ頃からお酢の歴史があるかというと・・・
縄文時代の前期 | もともとは木苺などを使った果実酒が最初に作られたのではないかと言われている |
弥生時代 |
米作りも始まり穀物の種類も増え、現在のお酢に近づくかと思われたのですが、 |
奈良時代 | 酢造りの職人が渡来した後に、現在の素になる製造方法が伝授されたと伝えられている |
平安時代 | お酢の種類が増える |
室町時代 | 調味料として料理に使われている |
こういった酢の歴史背景があります。
日本では、奈良時代に初めて造られたんですね。
世界では、実は紀元前5000年ごろにメソポタニア南部で造られたものが最初であると言われています。
日本の黒酢産地といえば、有名な「鹿児島県霧島市福山町」です。
1880年の江戸時代後期に鹿児島県福山町で始まった、世界にも類を見ない独特の製法で造られています。
1つの壺の中で、糖化、アルコール発酵、酢酸発酵が自然に進行する、世界でも類を見ない製造方法です。
薩摩藩時代は商業港として栄えていた霧島市福山町の福山港は、
食料品から日用雑貨までさまざまなものが集まる交通の要衝として栄えたのです。
黒酢造りに欠かせない、原料のお米と壺が手に入りやすい場所でした。
霧島市福山町は三方を丘に囲まれて、南向きの斜面に位置しているため、昔から気候がとても温暖な地域で、
年間の平均気温は18.7℃とくろずの発酵に適した土地柄です。
福山町には、原料となる良質な米ときれいな湧水、そして温暖な気候に恵まれており、黒酢造りには最適な町でした。
屋外醸造の福山町の黒酢は、すべて自然の管理下に置かれています。
そのため、変化に富んだ厳しい自然環境の素で良い黒酢を造るには、醸造技師の技術が必要です。
そのため大量生産も出来ませんし、完成までに3~5年の時間を要します。
今や、工場などで速醸法や連続法と呼ばれる発酵方法によって、24~28時間以内に造られるものが主流となりました。
連続法で造られた酢は、アミノ酸の含有量などは福山産とは比較にならない程、低いのです。
200年続いた製法を受け継ぎ続けている造醸所は数少ないです。
今後もその伝統製法を守り続けて欲しいですね!